森博嗣 / 黒猫の三角

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

奇しくもこいつを読了。
ああ、そんな三角もあったね。と少し感慨にふける。
リアルタイムで学生の諸君が読むほうが数倍楽しめそうだな。


自分の足跡を言い訳というコンクリートで舗装しながら進む行為が人類の本質なれば
一体常識と非常識を隔てるものは何なのか?
確かに、「俺は君を殺さないから君も俺を殺さないでね」という駆け引きで世間が成り立ってることが
人類のレベルが遺憾ながらさほど高くないことを証明している、とは思う。


それはそうと、
「記号を覚え、数式を組み立てることによって、僕らは大好きだった不思議を排除する。何故だろう?」
幻惑の〜だったか。このフレーズは森博嗣の真骨頂だな、と思います。
「何故だろう?」の一言が非常に森博嗣らしい。
たまに入る変化球な比喩は正直あんま好きじゃないんですけどね。